1935年創業の日本の革ジャンメーカーカドヤ。本社工場ヘッドファクトリーから生み出されるプロダクト、オーダーメイド、リペア、カスタムの仕様や製作過程、レザーやライダースジャケットにまつわるエピソードなどを発信。「日本のものづくりと職人の拘り」を綴ったブログです。

頼まれ物

先日のとある朝、砂糖とミルクをたっぷり入れたコンビニエンスストアのドリップコーヒーをすすりながら支店への業務的なメール送信などの作業をしている時でした。

「市島ーー!!」

朝の静寂を一変させる怒号の巻き舌に我の名字を叫ばれ、ギクリとしてそちらを振り返ると、そこに立っているのは、KADOYA二代目前社長の現会長。

(なんかやったっけかな、、、?)

「はい」

「お前に初めてものを頼む!これは俺が40年使っている枕だ!ボロボロになったから張り替えてくれ。」

と言われて、手渡された枕?

KM

そう言われてみれば10年以上もお世話になっている会長から、個人的に何かを任された事はなかったかもしれない。


スラックスの丈詰めだとか、ベルトの穴開けだとかそういった事を会長が頼む相手は大体決まっていて、「あいよ!」とか「ハイハイ」と返事ができるくらいの要するに、会長が現役の職人だった頃に、職人同士の付き合いをしていた様な人たちで、
会長と職人の「これやっといてくれよ」「ハイハイ」というやり取りを見聞きする度,到底立ち入れないその空気感が少し羨ましかったりして。




「余った革でいいからな!空いた時間でいいぞ!お客さんの注文が先だからな!」

「はい、分かりました」

言えません、「あいよ!」なんて。


KM


結局「お客さんの注文が先だからな!」のお言葉に甘えるかたちで先送りにしてしまい、


一度保留にしてしまうと、それが二日となり三日となり

目の前にある「枕」が目に入りつつ日々の仕事に追われ気づけば一週間?


ある時不意に、会長がボソッと口にした言葉を思い出しました。

「この枕が一番いいんだ、これじゃなきゃ良く眠れないんだ。」



あれから一週間、、、


さて、急がないと。


【市島】


2015-02-27 : 未分類 :
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プロフィール

head factory

Author:head factory
創業1935年、日本の革ジャンメーカー浅草カドヤ。本社工場ザ・ヘッドファクトリーでは、職人それぞれが一人一着縫いにて既製品の製作、オーダーメイド、カスタム、リペア、そして製品管理を行なっています。
所在地:東京都台東区西浅草3-29-21 株式会社カドヤ本社ビル 6F/7F

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