1935年創業の日本の革ジャンメーカーカドヤ。本社工場ヘッドファクトリーから生み出されるプロダクト、オーダーメイド、リペア、カスタムの仕様や製作過程、レザーやライダースジャケットにまつわるエピソードなどを発信。「日本のものづくりと職人の拘り」を綴ったブログです。

握り鋏(糸切り鋏・和鋏)

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入社時に社長から職人の道への贐として贈って頂いたもの。

革ジャン七つ道具の一つ。握り鋏です。

主な用途は糸切りですが、薄い革であれば切り込みを入れたり、先端をカットする時に
使用する事もあります。
縫製中の使用頻度は高く、人間の指先と同じように使う感覚。理由としては

・手の中に納まるサイズである事。
・指から近い距離に刃先があるので対象物を捉えやすい。
・刃を開いてから切る2アクションを必要としない。



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プラスチックのグリップに刃がビス留めされており、内蔵されたスプリングで開くタイプ。
環に薬指を入れる事で一体感が出ます。



鋏には大きく分けて二つの型があります。

・X字型:刃と柄の中間にネジ(支点)のある形式。文具バサミ・裁鋏などの一般的な系統。
・U字型:握り鋏がこの系統。U字に曲げられたバネの部分が支点となる。

ネジを入れてから刃付けをして調整・修正を行うX字型。
それに対してU字型は一本の軟鉄の両端に刃付けを済ませ、中央部分を曲げて一気に完成へ。

精巧さとダイナミックのバランス。日本らしい職人魂を感じます。

鋏としては最も古い歴史のある握り鋏。
ヨーロッパや東南アジアなど全地域に分布していましたが、今も造られているのは
日本だけだとか。それでも生産量は毎年減っているそうです。

残すべき伝統文化の一つだと思います。



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通常サイズ(写真・上)より大きな鋏を発見。いったい何に使うのでしょうか?
更に二回り以上大きな物も骨董市で見かけた事があります。
ギリシャで羊の毛を刈っていた同型の鋏は全長1メートル近くあるとの事。

シンプルな握り鋏も種類は様々。

数百年の年月を経て、改良された今日の鋏を使える事に感謝します。



【中村】
2011-05-27 : 道具 :
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プロフィール

head factory

Author:head factory
創業1935年、日本の革ジャンメーカー浅草カドヤ。本社工場ザ・ヘッドファクトリーでは、職人それぞれが一人一着縫いにて既製品の製作、オーダーメイド、カスタム、リペア、そして製品管理を行なっています。
所在地:東京都台東区西浅草3-29-21 株式会社カドヤ本社ビル 6F/7F

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